ミスタードーナツ、店舗をテコ入れ。100円セール終了も

ミスタードーナツを運営するダスキンは、2020年までに全国約1300店舗のうち1000店舗を改装する。

新店舗では主力製品を値下げする一方、既存店舗で人気の100円セールやグッズキャンペーンは取り扱わない意向だ。すでに、甲子園前をはじめとする12店舗がリニューアルオープンしている。これらの店舗で検証のもと、全国に広げていく計画だという。

BuzzFeedの取材に対し、ダスキン広報は「住宅街では、広いスペースをとったカフェスタイルにしていく予定です。”ミスタードーナツ”のブランドを活かしたいので、100円セールやおまけなどの付加価値はつけないで勝負したいと考えています」と答えた。

改装された店舗はカフェを思わせるような洗練された空間と、”手作り感”を伝えるためのオープンキッチンを採用。新タイプの店舗では、100円セールやキャンペーンは実施しないものの、主力製品を値下げして販売している。

「基本は、ポン・デ・リング、オールドファッション、フレンチクルーラーがベースになりますが、店舗と時期によって値下げする商品を変えて、検証していく予定です」

これらは、140円のものを108円で提供される。一部商品の価格を見直し、大安売りはしないという戦略をとるのだろう。もちろん、検証しながら広げていくとしているので、今後変更する可能性もある。

 

ドーナツ市場でよく語られるのは、セブン-イレブンをはじめとするコンビニドーナツの参入だ。価格帯が100円程度と安いため、人気を博しつつある。2015年度は400億円の売上を見込むという。

この新興勢力に対抗するための戦略転換のようにも見えるが、ミスタードーナツの売上はずっと下がり続けている。  ( 2014年から急激に売上が落ちているわけではない。)    

ミスタードーナツ、店舗をテコ入れ。100円セール終了も
調査会社の富士経済は以前、BuzzFeedの取材に対し「70年代から同じスタイルで販売し続けているため、”母と子ども”という限られた層にしかアプローチできていなかった」と分析していた。

なお、改装のペースは、実験店舗の売れ行きを見て決めるという。「ついで買い」しまうコンビニドーナツに対抗するためには、instagramに映えるような店舗にする必要があるのだろうか。
 
 
改装によって今まで逃していた層にアプローチができると書かれているが、これによりドトールコーヒースターバックス等の他社の値下げが考えられる。ミスタードーナツというブランド、ドーナツ・パイの価格、そして他社に比べ、ドリンクの値段が安いことが理由である。コーヒー1杯が380円のドトールに対し、ミスタードーナツは270円と100円以上の差。今まで逃していた層、つまりサラリーマンが使用するのは言うまでもない。空間作りに力を入れ、オープンキッチンを取り入れるとなると、若い年齢層も逃すことはないだろう。それによるSNS投稿や口コミは、かなりの広告効果を生むことが見込まれ、続いていた売上の低下も止まる...むしろ、上がっていくに違いない。