iPhoneSE、触って使って分かった「真の実力」

 アップルは3月21日に開催したイベントで、新型となるiPhone SEを発表した。3月24日から予約が始まっており、3月31日に発売される予定だ。最新のiPhoneを一言で言えば、「4インチ最強のスマートフォン」だ。

 アップルによると、世界では約4割、中国では約6割が「初めてのスマートフォン」として4インチのiPhoneを選択しているという。2015年にアップルは4インチモデルを3000万台販売しており、先進国では若年層、新興国では「入門機」として選ばれるのが4インチ機である。その4インチ機で、最新の体験ができるようにするためのモデルが、iPhone SEだ。

■ 変わらない小型・軽量デザイン

 今現在、好んで4インチのiPhoneを使っている人にとっては、間違いなく朗報である。これまで通りのコンパクトで手に馴染むデザインのまま、iPhone 6sと同等の性能を手に入れられるからだ。

 iPhone SEは、2013年に最新モデルだったiPhone 5sのマイナーアップデート、と位置づけると、誰がターゲットになっているのか理解できる。そのため、デザインとハードウェアの一部は、iPhone 5sの仕様が据え置かれており、最新ながら、ラインアップの中でiPhone 6sの下位に位置するモデルとなる。

 では、4インチユーザーが「買い替えるべき理由」を3つに分けてみていこう。

 まず1つめの最も大きな理由は、小型・軽量を維持していること。4インチディスプレイ、幅は58.6ミリと60ミリを切るサイズに収め、重さは113グラムと前機種からわずか1グラムの増量に留めた。厚さこそ7.6ミリとシリーズでは最も厚いが、200グラム近いiPhone 6s Plusと比較すると、手首への負担が限りなく低減されることを体験できる。

 iPhone 5sと同じアルミニウム素材を使っているが、表面の仕上げはよりシックなものに置き換えられた。以前はアクセントとなっていたエッジの鏡面仕上げもマットに置き換えられ、背面から側面にかけての見た目と手触りに、一体感が強くなった。

 筆者は新色となるローズゴールドを試しているが、室内では落ち着いた印象を、屋外では思い切りアクティブに、その表情を変えてくれる。小型を好む女性ユーザーには、ゴールドとともに、人気のカラーになりそうだ。

■ 処理速度からカメラまで、最新の性能を凝縮

 2つめの理由が、最新性能を盛り込んでいることだ。iPhone SEの性能は、現段階では、2015年9月に発売された旗艦モデルであるiPhone 6sと同等だ。

 メモリ2GBを搭載する同じA9プロセッサを搭載しているが、手元のテストでは処理能力・グラフィックス性能・ウェブブラウザいずれも、iPhone 6sより若干良いスコアをたたき出している。そのため、より高度な3Dグラフィックスを駆使したゲームや、4Kビデオを2本同時に編集するといった作業を、この小さなiPhone SEでこなせるようになった。

 スマホの必須機能であるカメラも充実した。背面は1200万画素の4Kビデオ撮影をサポートするiSightカメラに強化された。iPhone 5sと比較すると、より鮮明なディテールと色に忠実な写真を撮れるようになる。

 特に逆光時にも、空の色や暗い室内をきれいに写し出す点で、扱いやすいスナップカメラに仕上がっていた。またフォーカスを合わせるための画素が内蔵されたため、オートフォーカスのスピードも体験できるほど大きく進歩している。

 正面は120万画素FaceTimeカメラに据え置かれているが、画面全体を光らせてセルフィー時のフラッシュとして利用できるRetina Flash機能を搭載し、暗所での自撮りがしやすくなった。もしセルフィーの画質にこだわるのであれば、iPhone 6sを選ぶべきだろう。

 日本ではまだ導入されていないが、NFCチップを内蔵することで、Apple Payやギフトカードなどの機能もサポートした。

 米国では、Squareのコンタクトレスリーダーも発売され、小規模店舗などでのApple Pay利用も促進されつつある。また中国市場でも、Apple Payが導入され、米国以上の初速で普及が拡がっている最中だ。日本でも2016年内にはサービス開始と予想されている。

 

確かにiPhone6sとのの性能で軽量であれば4インチを使用する客数は増えるであろう。

アンドロイド携帯と比較をした際、2013年中頃まではアンドロイドが50%程度で、iPhoneが45%程度とアンドロイドのほうが多かったのですが、ドコモからiPhoneが発売されてから少しずつ、iPhoneユーザーの方が増えてきたようだ。2015年5月からはiPhone(57.5% )とアンドロイド(42.2% )の比率になり、約2年でiPhoneが追い越している。

新製品が発売されるなか、このままアンドロイド側が何も仕掛けてこないとは考えられない。新たなプランを立てるのか、新製品で勝負をするのか。今後が大いに楽しみだ。